江戸川つつじの郷 要法寺

住職ご挨拶

2024年2月1日 住職ご挨拶

 令和6年に入り、早くも一月が過ぎました。

甲辰の年は、何事も、始めるにふさわしい年、新たなる年とあちらでもこちらでも聞いていましたが、まさか、正月1日から激震災害に遭うとは考えてもおりませんでした。

20数年前には阪神淡路大震災、10数年前には東日本大震災、と続き、激震災害が繰り返されています。

新為まして、この度の能登半島大震災にて被災され尊い命を亡くされました方々のご冥福をお祈り申し上げます。重ねて被災された皆様にお見舞い申し上げます。

1月30日に、東京東部宗務所の集まりがあり、東部宗務所は1週間後には防災部が救援物資を、その時点で許された最前線にお届けし、また、募金活動を行い大勢の方々から「御心を」寄せていただことを知りました。身内のことながら迅速な行動に、「ありがたい」ことと感謝した次第です。

今後も、この激震に指定された大地震に心を寄せていこうと重ねて考えています。

お一人でも多くの方の「心寄せ」をお願いするばかりです。

さて、東京東部宗務所特に防災部の僧侶は、先の東日本大震災の折にも物心両面で活躍してくださいました。私もごく一部ではありましたが、「傾聴活動」「慰霊法要」「復興支援団参(200人からの東京東部寺院の檀信徒と一緒に少しでも復興のお役に立てるようにたくさんのお買い物もしました。)」などの参加させていただきました。さらに防災部では、幾度となく支援物資をお届けしその後も交流を深めて下さったことを承知しております。

また、忘れられなかったのは、岩手県釜石市の奥の上閉伊郡に「蓮乗寺」というお寺の事です。大学の学友で早稲田で陸上を続け走り高跳びのオリンピック候補にまでなった木藤養顕という恩人が住職のお寺です。ここは「井上ひさしの吉里吉里国」の地と言えばよいのでしょうか。ともあれ、地震発生後何日経っても釜石の事は報道されても上閉伊郡の事はいえ釜石以北の事はテレビのカメラが一度も入れない地でした。ここに防災部の方々が、「蓮乗寺」にピンポイントで救援に入って下さり、写真に収めてきてくださいました。その時に髙台なのに津波で流されたプロパンボンベが元で爆発炎上して壊滅状態の「蓮乗寺」の焼け跡を片付けて下さったおかげで、蓮乗寺は地域で一番早く「仮本堂?」が建てられたと聞きました。その写真を見て、住職の結婚式にお邪魔したあの光景はどこにもなく、何もなく、ただ、ただ、涙が流れて止めることは出来なかったことを今でも忘れられません。ありがとうございました。

これから、私たちは日蓮宗の仲間が能登大震災の被害を受けて大変な思いをしていることを承知しておりますから、募金活動が主体になろうかと思いますが、心を寄せてまいりたいと思います。

1日も早く、現地の被災されたすべての人々が、前を向いて、進んでいけるように応援してまいりたいと思います。

 

10数年ごとにこのような激震災害に見舞われる私たちですが、今一度、自分が「その時」「その場」にいたときに、何をどうすれば良いのか?確認しておきたいと思いました。

丁度、『おおじしん さがして はしって まもるんだ』子供の身をまもるための本 清水奈穂著 岩波書店 を知りました。

私自身、「なるほど❢」と思った確認点が明確に明瞭に示されていましたので、多くの方に知って頂きたいと思いましたので記します。阪神淡路大震災の教訓が生かされているとのことです。

「8秒に いかに生きるか」

震災3つの時

1,      大地震が起こったその時

2,      大地震の大揺れと闘い逃げるその時

3,      避難生活を過ごすその時

 

阪神淡路大震災の時は亡くなられた人の80%が直接死でした。

 

「8秒を生きろ」

罹災経験者に聞くと、直下の揺れが1~2秒、遠い震源からの揺れが10秒。

まず、35秒続くカタカタが襲い、そしてすぐに大きなガタガタガタガタが23秒(まだこの時までは少しだけ動こうと思えば動けた。)

そして、ゴゴゴゴ、ドーン、ドンドンが頭に堕ちてきて大バクハツ。(こうなったら動こうにも動くも何も出来ない。)

死ぬという考えも浮かばないほどの大揺れ。縦にも横にも3~5分続きました。

こうした時間が過ぎた後は、全く音の無い不気味なシーンが長く続き、時々ドーンが起こりました。

このことから大地震が爆発するドーンガーンの前の「8秒」という間に安全な場所に身体を移動させることが非常に重要なことが分かります。

地震と感じたら「8秒」を目途に「ともかく生きる」ための「動き」をする。

それが「生きるか死ぬか」の分かれ目です。

8秒はとても短い時間。でも、私たちは、その後の国や学校の子供指導や実証実験を通し「8秒あれば十分どうにか出来る」ということをしっかり確認しました。

 

キーワードは、「さがして(ウサギ) はしって(ネズミ) まもるんだ(カメ)の3つです。」

安全を守るポーズを動物に例えて覚えるものです。

2歳くらいから練習することをお勧めします。

 

まず、「じしんだ バーン❢」で、8秒以内に安全な場所に逃げ込む。

8秒の大揺れが始まった時、ウサギさんが何かあったときにやるように とっさに頭上や周りを素早くクルリンと見ること。人間は怖いとき自分の眼の下がせいぜい、目の前しか見られないことが多いのですが、物が飛んでくるのは真上だったり 斜め上 斜め後ろ だったりします。「ウサギさんのポーズ」は上や斜め後ろなど 普段見ないところにあえて目を向けて「危ないモノが飛んでこないか? 落ちてこないか?」と素早く察知するためのポーズです。 

 

次に、ネズミさんのように サッと素早くテーブルの下や部屋の隅に潜り込みます。

身体を低くして素早くです。

じしんだ バーン❢ といった後に、ウサギさんのように周りを見渡し ネズミさんのようにシュルシュルと安全なところまで逃げ込めばOK❢ (この間8秒)

 

そして逃げ込んだ後、そこでカメさんのように しっかり首根っこや体全体を守ります。手も足も引っ込めて。出来るだけ①体の面積を小さくする。②首の後ろを守る。 の2つがポイントです。

どんなに周りで大きな音がしても 安全な場所にいれば音では死にません。(1~5分はその場で耐えて命を守る。)

そして、地震は必ずおさまります。(余震がまたあるとしても・・・。)

止まるまでそこで体を守るのです。

 

8秒を素早く生き抜くには、比較的安全な場所を 前もって知っておく必要があります。

普段どこに行っても 安全な場所を見つける訓練をしておきましょう。

 

安全な場所とは

   上からガラスなど落ちてこない

   前や横から倒れてこない(本箱や塀など)

   滑って動いてこない(ピアノやくるまなど)

   ①~③の物をしっかり受け止めることのできる場所。出来れば身体全体を守ってくれるテーブル・机などの物があるという条件を備えた場所。部屋の何もない角が目安となります。

いざというときの「避難場所」を決めておきましょう。

 

今月も「笑顔で合掌」と元気にお過ごしください。

 

合 掌