2024年10月7日 住職ご挨拶
いやはや早くも10月に入りました。
若いころは、10月といえば、日蓮宗では「御会式」一色に染められたものでした。
年齢と共に、一年の過ごし方も変化するものです。
NHKの全国規模の小中高生による「合唱コンクール」では、今年の曲は「チェンジ」がテーマで、作詞作曲されていました。
少し驚いたのは、携わった方が、俵真知子さん・官九郎さんや緑黄色社会さんという今の方々だったことです。もっといかめしい方々や選曲なのかと勝手に思っていましたから・・・。
少しだけ流れてきた子供たちの歌声に、私の知っている「合奏コンクール」の世界とはかけ離れた新鮮さを感じていました。
時代が違う。
まさに「チェンジ」なのでしょうか?
考えることは大切です。
季節は「秋」を迎え、心を落ち着けて、自分と向き合う「時間」を大切に、楽しみたいと思います。
さて、今年の夏は異常な高温でした。記録的な猛暑日の夏でした。
「夏負け」という言葉は知っていましたが、今年ほど実感させられたことはありませんでした。
朝のお勤めに本堂にエアコンをかけなければならないなどと言うことは考えられませんでした。
日中は、不要不急の外出はもちろんのこと、ほとんどの行動が出来ませんでした。
私ばかりではありません。
今年ほど「蚊」がいない年もありません。「蚊」まで猛暑で活動できなかったと見えます。
「彼岸花」も10月に入らなければ満開を迎えられませんでした。
去年も厳しい暑さでしたが、彼岸花だけで比べてみると、要法寺では「白い彼岸花」と「赤い彼岸花」が咲きます。
【注、白い彼岸花ではなく黄色い?あるいはクリーム色?という人もいますが、私は白色の彼岸花といいます。】
赤い彼岸花は全国的に目にすることが出来ますが、白い彼岸花はめずらしいと思います。
なぜ白い彼岸花にこだわるのかとお思いでしょうが、私たちが彼岸花を「曼珠沙華」と呼ぶのは佛教の故事によります。お釈迦さまが法華経をお説きになられるときには天界の人々が喜びを表し、「天界に咲く曼珠沙華」を散らせて下さいました。これを「散華」と呼び、仏教寺院では大法要の折に、法要に先立って儀式として行います。
その「曼珠沙華」は白い花なのだそうです。
彼岸花はこの「曼珠沙華」に似ているから、また、地上(娑婆世界)には本物のの「曼珠沙華」がないから、私たちは、当たり前のように「彼岸花」を「曼珠沙華」と間違えて呼んでしまっていただけなのだそうです。
元に戻りまして、例年、白い彼岸花が先に咲き始めます。
この白い彼岸花が満開を迎える頃に、負けてはならじとでもいうように赤い彼岸花が一斉に咲き始めました。
ところが、去年は、秋季彼岸中日(秋分の日)には、白い彼岸花が咲き始めていました。満開とまではいきませんでしたが、それでも結構見ごたえのあるほどには咲いてくれていましたが、赤い彼岸花の姿はありませんでした。
それでも、「自然界の力」は素晴らしい❢ これほどの猛暑でも、忘れることなく、ひるむことなく、咲いてくれた。ありがとうと感激したことは忘れられません。
そして今年です。
秋季彼岸中日(秋分の日)には、3本の茎が伸びてきていただけで、満開どころか開花もしていませんでした。
流石の「自然界の力」も今年の猛暑・酷暑・炎暑には叶わなかったのでしょうか。
今日は10月7日ですが、ほぼ満開を迎えています。
特筆すべきは、白い彼岸花も赤い彼岸花もほぼ同時に、「満開」を迎えたことです。
さて、来年はどうなることでしょうか?
ワクワクしながら・・・。
今月も「笑顔で合掌」と元気にお過ごしください。
合 掌